ロイヤルティー
by
グレゴリー・バタズビ(グリメス&バタズビ法律事務所、LIMA顧問弁護士)
グレゴリー・J・バタズビはコネチカット州スタンフォードに拠点を置くグリメス&バタズビ法律事務所の創立共同出資者である。ライセンシング専門の弁理士である氏は、ライセンシング分野における多くの本の共著者であり、LIMAの顧問弁護士も勤めている。
多くのプロパティー・オーナーにとって、ライセンスに基づきライセンシーが支払う金額を決める報酬規定こそ、商品ライセンシング契約の最重要ポイントである。均一料金や段階的料金設定は商品ライセンスでは一般的ではなく、もっとも一般的な報酬決定方法はロイヤルティーだ。
一般的商品ライセンス契約において、ロイヤルティーとはライセンサーに対するライセンシーの報酬契約を指す。ロイヤリティーは、ライセンシーが製品を売り上げた金額に対する一定の割合か、製品ごとの定額とするかのどちらかとなる。通常はパーセンテージ・ロイヤルティーの方が定額ロイヤルティーよりも好まれる。パーセンテージ・ロイヤルティーならば、ライセンサーはインフレや高需要などによって製品販売価格が上昇した場合でも利得を望めるからである。同時に、製品値下げや割引販売によって生じる総利益損失のリスクも負うことになる。そのような事態を避けるために、ライセンサーの多くはライセンシーの販売最低価格を設定したり、割引売りされる製品の数を制限したりするといった措置をとる。
ライセンス契約におけるロイヤルティー規定は通常以下を含む:
(1)プロパティー・オーナーに対するライセンシーの実際のロイヤルティー計算に使われたレートの詳説;
(2)ロイヤルティーの計算の基礎−−「ネット売り」か「グロス売り」かといった言葉の定義を含む;
(3)ロイヤルティー報酬の計算における控除−−報酬支払い期間など;
(4)現金以外の売上の規定;
(5)保証ミニマム・ロイヤルティー額と前金;
(6)ライセンシーのロイヤルティー発生の規定
通常ロイヤルティー・レートは、両当事者間の交渉によって決まり、そのライセンスド製品に対する人気や消費者の持つ認識度、商品企画全体の状況、製品の性格、プロパティー・オーナーやライセンシーの力の有無といった要素にも左右される。ロイヤルティー・レートは保証ミニマム・ロイヤルティーやライセンシーによる前金といった諸要素によって変わる場合もある。最も一般的な商品プロパティーのロイヤルティー・レートが8〜10パーセントの間なのに、プロパティーによっては、例えば最近記憶に残るところで『スター・ウォーズ』プロパティーは20パーセントという高レートを取った。このレートは異常に高いが、エンタテイメントやキャラクターのプロパティー・レートは概してその他のプロパティー(アート、大学、ファッション、スポーツ、企業、非営利団体、出版)より高く設定されるということを記憶しておくべきである。
ロイヤルティーは通常、ライセンスに対して、ライセンシーにより算定された「ネット売上」をベースに決定される。「ネット売上」とは、グロス売上から数量値引き及び実行された返金額(数量値引き以外で何ならかの借りを支払った金額)を差し引いたものと定義される。通常、現金払いその他の割引、手数料、回収不能請求、謝礼、払込追徴、課税、支払い、その他ライセンシーのいかなる形の支出も「ネット売上」から差し引かれない。
ライセンス契約の報酬条項はライセンサーを保護するための追加規定をも含む。例えば、プロパティー・オーナーは利益支払い期間の制限や、通常販売価格よりも低い価格で販売されたライセンスド製品にフル・ロイヤルティーを要求することがある。更に、独占ライセンシングを授与されている場合、殆どのプロパティー・オーナーは、ライセンシーは返還義務の無い「最低保障ロイヤルティー」を契約更新ごとに要求できる。これは契約の遂行にあたり「前金」とて支払われる。最低保障ロイヤルティーや前金は両当事者間の交渉によって決まり、ロイヤルティー・レートの算出において考慮されたのと同じ要素に依拠する。最低保障ロイヤルティーとして500,000ドル以上を課すプロパティーは聞いたことがない。業界の規準としては5,000ドルから100,000ドルが妥当であろう。
最後にロイヤルティー規定は、ライセンシーが実際にロイヤルティー契約を有効とするタイミングと方法を定めこととなる。ロイヤルティーが有効となるタイミング、つまりどの時点で製品が実際に「売れた」とするかを明確にするため、プロパティー・オーナーは全ゆる可能性を想定した言い回しをすべきである。例えば、製品が売られた時、及び/あるいは、出荷された時、小売りに出された時、請求を送られた時、支払われた時のどの時点を重んじるか定義すべきである。
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