| 目次へ | 

LIMAボトムライン2001年春号
LIMA'S Bottom Line spring 2001
素晴らしきフード業界
by クリストファー・バーン(玩具研究家)

 

「ザ・トイ・ガイ」でも知られるクリストファー・バーンは、20年以上に渡って、玩具産業について研究執筆を続けてきた。最近『ザ・トイ・レポート』を編集した彼は、『トイ・ウイッシズ』と『ザ・トイ・ブック』の補助編集者でもある。

* 編集者注:この記事は『ザ・ライセンシング・ブック』のために単独で行われた調査とインタビューをもとに構成されている。

 

 食品ライセンシングは業界でも盛り上がりを見せている部門だ。有力なブランドや消費者ロイヤリティーを作り上げる、あるいは子供時代を思い出させる特定の商品で個人的な関係を築いてゆく。実際、LIMAによればフード・ライセンシングはロイヤリティーにして9.5億ドル近くを生み出している。

 食品ブランドの可能性が並は外れていることは、ライセンサーもライセンシーも認めている。そもそも食品とは、消費者がもつ最も個人的なブランドの一つなのだ。同時に、そのライセンシングには幾つかの課題がある。

 ナンシー・ベイリー・アンド・アソシエイツ社社長のナンシー・ベイリーは語る。「今日の市場では、各ブランド持つ力とその方向性を見抜かなければいけない。貴社ブランドが他と比べてどの点が良く、どの点が違うのか、主要ブランドを大きくするためのどんなインパクトを持つのか、そういったことを知る必要がある」

 ケロッグ社のエリサ・ウエッブは言う。「成熟した成人人口は加速度的に増加する一方、子供達はかつて無い購買力を持つようになった。我々のブランド製品は消費者に合わせて多様化すべきだ」

食品・飲料業界の二つの道

 食品と飲料のブランドがライセンシング計画でとる道は二つある。「フード・トゥ・フード」商品と「フード・トゥ・ライフスタイル」商品である。

 フード・トゥ・フード商品に関しては、この記事のためにインタビューした誰もが、素早い販売促進と対照的な、長期的計画展開の必要性を強調していた。ブロード・ストリート・ライセンシング・グループ会長であり、ポプシクル社のエージェントでもあるキャロル・フランセスカは語る。「ポプシクルは一年間の商取引やプロモーションには興味はない。彼らは少なくとも5年間は続くブランド展開を考えているのです」成功するフード計画は、基本的にブランドの長期的な視野と一致しなければいけない。

 フード・トゥ・フード商品では、ブランドの統合性を保つこともまた重要だ。味は消費者にとって非常に大切であり、ブランドの基本的属性の一つである。必然的に、長期的ブランド拡張が重んじられる。当然味は食品ブランドの基本要素であるから、成功しないフード・トゥ・フードのライセンスは親ブランドの全体的なイメージを傷つける可能性がある。

 コーブランディング(ブランド協力)はまた少し異なる戦術であるが、急激に拡がっている。ベイリーは言う。「生産者のブランドが何より大切なストレート・ライセンスと違って、コーブランディングのライセンスでは構成要素が最も重要となる」つまり、ハワイアン・パンチ・フルーツ風味のスナックを購入する消費者は、ハワイアン・パンチ独特フレーバーが好きだから買うのである。これは、コーブランディングのケースとは明らかに異なる。なぜなら消費者がフィルズバリー社のオレオ・フロスティングに惹かれるのは、その構成要素(ナビスコ社のオレオ・クッキー)をよく知っているからだ。こうして、二つのブランドは互いの力を利用して、非常に強力な商品を作りあげる。

「フード・トゥ・ライフスタイル」のライセンシングは更なる可能性を持つ。フランセスカは説明する。「食品ブランドがその枠を越えてライフスタイルに入っていくためには、〈楽しさ〉という要素が必要になる。〈楽しさ〉が、他の商品カテゴリーへ入り込む可能性を与える。人がポプシクルのアイスキャンデーを手にするのは、ただ食べるためではない。ポプシクルの派手な色、とっぴな形が楽しいからだ。その気がなければ、食べなくてもいい」

 このカテゴリーでその強さを見せ続けているブランドといえばコカ・コーラだろう。それどころか、コカ・コーラ社北米の製品サービス部門ディレクターであるスーザン・フィーリーは、コークを単なる飲料ライセンスとは考えていない。「コークはライフスタイル・ブランドであり、我々は多くの産業にまたがるライセンス経営をしています」

 コカ・コーラのライセンスによる製品の共通する基本要素とは、ライフスタイルを拡げることである。フィーリーは、コーク計画の狙いは「飲料を飲んだ後さらに人間関係が深まることにある。我々の商品は人間関係を拡げる」と語る。コーク・ブランドの独創性の一つは、その実験的な性格を拡げてゆくことにある。それにより製品だけでなく小売りシステムまでも進化してゆく。

 数々の制限や課題にもかかわらず、食品カテゴリーはライセンシングのブランド拡張とライフスタイル製品の両方で成長してゆくことだろう。特にエンタテイメントのプロパティ等と比べると、食品・飲料ブランドはバイヤーや消費者に、いつも若々しいチャンスと相当な量の利潤を与える。新しく革新的であること。優秀な消費製品と消費者のブランド認識に対する明確な理解、それにより総合的な拡張戦略を持つこと。こうした努力があれば確実で刺激的な成長が望めるに違いない。

 

top

 

| 目次へ | 


Copyright (C) 2001 LIMA Japan. All Rights Reserved.