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LIMAボトムライン 2001年秋冬号
LIMA'S Bottom Line fall-winter 2001
変化するエンタテイメント・ライセンシング市場

 

 近年エンタテイメント・ライセンシングは急激に変化してきています。プロパティーを確立する難しさ、激化する競争、小売り業の統合という三つの要素によって、かつては全てが速いペースで進んだこの業界はすっかり変ってしまいました。取引条件がタイプで打たれると同時に契約が成立し、プロパティーの取引の規模が大きくすれば成功という時代は昔のことで、今やエンタテイメント・ライセンシングのは戦略、練られたマーケティング、長期ブランド開発といった要素が不可欠条件です。こういった進化は成熟したビジネスでは当然のことですが、『ボトムライン』はそれに対するライセンサーとライセンシーの対応方法を追いました。

 私たちは業界をリードするお二人にお話いただきました。ニッケロデオン社の上席副社長のレイ・アン・ブロドスキーと、ライセンシング・デパートメント社社長ロニ・ポラックのお二方です。今日のライセンシング情勢を勝ち抜くために必要なものについてお伺いしました。

ブロドスキー:
  エンタテイメント・ライセンシングの全盛期には、相手となる小売業者の数が多かったですし、自分たちがいかにうまく行っているのかの自覚がありませんでした。現在エンタテイメント市場は幾分停滞ぎみであり、長期成長は難しい状況です。

 私たちはヒット商品によって成り立つ業界だからです。小売業者はヒットが保証できそうなプロパティーを支持し、そのあとに次の流行アイテムに移ろうとします。 私たちは皆ヒット・プロパティーは科学的に作れるものではないと知っています。それに私たちはヒット商品をお尻のポケットに隠し持っているわけではありません。そうした中で、私たちにとって小売業者はライセンシーと同じくらい重要なパートナーとなったということを理解すべきです。わたしたちはもっと密な連帯を組むべきなのです。同時にまた、ビジネスの「ヒット」性を担うというプレッシャーもありますし、小売業者にとって彼らの卵をみんな一つのバスケットに詰め込むのは危険だということを理解してあげなければいけません。小売業界もまた規模縮小傾向にあり、プロパティーの広がりをカバーできる訳ではありません。

 私たちのライセンシング・ビジネスは、ありがたいことに決まった方法に従うというものではありません。私たちは社内方式というものが無く、一貫性を持たないことを大切にしたいと考えているのです。子供たちは目聡い買手ですから、私たちは同じプログラムに陥らないように努力しなければいけません。

 ニッケロデオン社は常にクリエイター中心であり、クリエイターがライセンシーのプロセスと製品デザイン知識の全要素に関わるようしてきました。これこそプロパティーの成功のために全員で協力する良きパートナーシップだと思います。

 エンタテイメント・プロパティーを手がける際には、子供たちがどのようにしてプロパティーと触れ合うのかということも理解しなければいけません。子供たちがあるテレビ番組や映画のファンの場合、彼らはその衣装を欲しがるでしょう。ここが他と違うところなのですが、私たちは時期が満ちるまで販売しないで、子供たちが私たちに欲しいと言うまで待つのです。私たちは、その番組の人気が高まったときに売りに出れば、製品販売は成功するということを経験から知っています。

 ニッケロデオン社では様々なメディアを手がけました。そして私たちは流通において、新しいプロパティーと同様堅実なラインナップを扱うことも重要だと考えています。もちろん常に挑戦です。しかし小売り業者は古びることのない魅力を持つプロパティーとブランドを探していて、そのための販売枠はあるのです。単なる一時的ヒット・プロパティー以上のものが求められています。

 できることなら私たちはそれらの両方が欲しいのですが、長きに渡り魅力を保てるプロパティーはすでに誰かの投資が入っています。私たちは過去の栄光に浸っていられないのです。どのような媒体が中心になろうと、ずっとプロパティーを中心の客層と関連づけて考えなければいけません。

ポラック:
 
エンタテイメント・プロパティーの力を利用しようと考えているライセンシーの視点からすると、まず、良い面と言えば、かつてより選択肢が豊富にあるという事です。悪い面としては、エンタテイメント・ライセンシング戦略を選ぶ時、どんなライセンスであろうと、ある程度のリスクとプロパティー・リソースの割り当てが必要だということです。そして情報の分析及び検討で選択を下すためには誰でも「度胸」が幾分いるものなのです。

 ライセンシーもまた現実的な知恵をつけました。彼らはテレビ・プロパティーと映画プロパティーの備えているリスクと可能性の違いをはっきりと認識しています。テレビだと長期的可能性、映画の方は素早く収益回収ができるというそれぞれの利点のバランスをとろうとします。同時に彼らは市場の製品への好みが変わったこと、製品のプロパティーの「エッセンス」を捕らえてそれとコミュニケートする方法を探し出すことが何より大切であると理解しています。

 これが意味するのは、ライセンシーがライセンスを選ぶ際、その評価プロセスがかつて無いほど重要であるということです。面白いことに、エンタテイメントの評価プロセスの基本は過去と比べて根本的には変わっていません。私のクライアントについて言えば、私はまず初めにプロパティーが自立できる能力があるのか、関連ストーリー、中心キャラクターが大きく成長できるか、ユーモア(必要箇所)、公開時期(クライアントの出荷に合わせるため)、プロパティーとライセンシーが作り出す製品に中心となる視聴者がどのように関わるのかをチェックします。

 しかしもっとも大切なことは、プロパティーの背後に誰がいるのかを知ることです。ニッケロデオンとディズニーは小売りで素晴らしい業績を上げてきましたし、彼らは自分たちの主要プロパティーの殆どに、上にあげたような作業を行ってきました。

 他の会社の多くはそれを行っていません。関係が一方的な上に、予算やデザインや製造に多くを求められるようなプロパティーは、クライアントに紹介しづらいものです。リスクを負うのはライセンシーなのですから!

 私たちの業界のエンタテイメント部門は少々現実主義的になって、テレビ放映や映画興行収入の季節ごとのランキングや数字に重きを置くようになりました。これによりライセンサーとライセンシーの関係は見直されることでしょう。私たちには収益を上げるという共通の目的があります。最近のマーケット事情の下では、製造業者はライセンシング・エンタテイメントの大局において最も傷つきやすい立場にあります。

 更に、最近起こったワシントンDCとニューヨークでの悲劇の影響でライセンシーはより注意深くなっており、この事件に対し文化が全体としてどのような態度とるのかをを見極めようとしています。特定のキャラクターやエンタテイメント形態が人気を増すという、今までとは違った状況に直面するかも知れません。既に多くの映画が、扱う内容が現況に相応しくないという理由で公開延期のなるのを目撃してきました。このアクシデントにより大規模な商品化を見込んでいた映画は、予算と製品納期を定めたライセンシーに対して致命的な影響を及ぼすこととなります。変わり行く産業とこうした事情を考えると、わたしは自分のクライアントには複合ライセンシングには注意してもらい、ライセンサーとライセンシーの両者にとって有利なエンタテイメント・プロパティーを考慮すると良いと思います。そうした決定を私は支持したいです。

 

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